ともえやのうんすけ
高さは約55cm、重さは10kgぐらいありそうなこの「うんすけ」、今は巴家の前庭にオブジェとして収まっていますが、元々は酒を運搬する容器でした。
今でこそ日本酒は製造元で瓶や紙パックなどに詰めてから出荷されますが、かつては蔵元から酒販店へこのような容器に入れて運搬していました。そして酒販店ではその酒を一升瓶に詰め替えて保存し、お客さんに量り売りをしていました。
こちらは陶器製の二升酒樽。酒の保管用の容器ですが、明治中期に誕生した一升瓶が全国に普及していく過程で姿を消していきました。この酒樽には「十日市町」の文字があるので、この地域が双三郡原村から十日市町として発足した大正6年(1917)以降に作られたものであることは確かです。「巴櫻」は巴家の前身、中和田家が昔造っていた酒の商標です。