雑木風ガーデンを目指して

巴家の細長い敷地の一番奥には80坪ほどの空き地があります。昔はここに酒蔵があったそうですが、昭和47年の三次豪雨の後に解体、その後は長年放置している間にジャングルのようになってしまい、足を踏み入れるのも嫌な場所でした。オープンに当たり、巴家の中庭や表の庭は、古民家の雰囲気と庭の四季を室内から感じてもらえるように手入れしましたが、さすがにこのジャングルはDIYではどうにもならないとあきらめかけていた時、ユンボを操る強力な助っ人が現れました。

一番奥に見える大きな木はこぼれダネで石垣の間から勝手に生えてきたナンキンハゼです。高さは10mぐらい、主幹の直径は30㎝ありましたが、ユンボのおかげで切り倒すことができました。他にも2階の屋根を超えるような月桂樹の大木や、枝が絡み合った数本の巨大ヤブツバキなど、手に負えない木々はすべて撤去してもらい、ジャングルはずいぶんとスッキリした姿になりました。これまで木々に隠されていた巴橋も、今では近くに見ることができます。

唯一残したのは50年前に当主の従兄が植えたというこのソメイヨシノです。毎年ジャングルの中でも健気に咲いてくれていましたが、今年こそ、周囲を整地して巴家の利用者の方々にも満開の桜を見ていただきたいと思っています。一馬力のDIYでどこまでできるかわかりませんが、この場所をあこがれの雑木風ガーデンにすることを夢見ています。